2023年度助成先団体、沖縄県石垣市の『石垣島しっぽの会』より活動報告が届きました。

昨年4月に理事長の田崎が訪問した際には、行政や地域住民と互いに協力しながら持続可能な活動されている様子を詳しく伺いました。今回は、新しい取り組みも含めてご紹介いたします。

石垣島しっぽの会

沖縄県石垣市で、2012年に「石垣島しっぽの会」は個人ボランティアが集まって発足しました。

飼い犬・飼い猫の適正飼育により、捨て犬捨て猫を減らすことを目的として活動をしています。保護団体ではないので、シェルターは無く、個人から犬・猫の引き取りはしません。八重山保健所の収容犬を、順次引き出して預かりボランティアさんのもとで家庭犬として飼育してもらい、譲渡会で新しい飼主さんを探します。譲渡会は2013年から毎月一度開催しており、石垣市の施設を会場として提供してもらっています。他にも年に数度、県や市のイベントに招かれ譲渡会・啓発展示を行います。

石垣市運動公園内での譲渡会の様子

保健所との協力体制

島では保健所収容犬のほとんどが中型雑種のため、散歩やシャンプーなどを保健所施設内で繰り返し、性格を観察し、トレーニングが必要ならトレーニングを行います。収容中に基本的医療措置は保健所がしてくれます。職員さん達とも情報共有をして、1匹でも多くの犬が譲渡されるように互いに協力しています。

保健所から引き出した犬をボランティアさんが飼育している間のフードやフィラリア薬などの出費はしっぽの会が負担します。引き出してから譲渡までに数ヶ月かかるのが普通ですが、この度、JAC環境動物保護財団様より助成金をいただき、複数の15〜20kg前後の犬のフードやフィラリア・ノミダニ駆除薬を品質を落とさずに与えることができ、本当にありがたいです。

八重山保健所敷地内をボランティアが収容犬の散歩をしている様子。
散歩をすると、その犬の性格や社会化の程度などいろいろわかります。
保健所施設内でのシャンプー

犬や猫の多頭飼育崩壊を事前に防ぐ

また新たな試みにも助成金をいただいて挑戦しています。

それは多頭飼育崩壊を事前に防ぐべく、主に経済的理由で手術を行わない飼主の犬や猫の手術を進めるプロジェクトです。環境省発行の「多頭飼育対策ガイドライン」の内容を参考に、このプロジェクトの在り方を組み立てました。

環境省 多頭飼育対策ガイドライン

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/r0303a.html

万一の崩壊後に何十匹もの動物を受け入れられる団体も施設も石垣島にはありません。そうなる前に、少しでも動物の数を減らしていくことが必須と考えます。そこで行政や個人からの情報提供を受け、現場を訪問し、飼主と話し合い、承諾が得られれば、まずはメスから手術をおこなっています。5月から始めたので、ほとんどのメス猫が妊娠中か出産後です。石垣島は温暖な気候もあり、獣医さんによると猫は1年に4回出産可能だそうです。

妊娠中の猫の手術は費用がかさみますが、助成金のおかげで臆せず手術を進めています。出産した子猫も譲渡会で貰い手をさがし、月齢が進めば更に出産する前に手術します。ひとつの現場でそれ以上猫が増えないようにコツコツ進めるしかありません。年度内にできるだけ助成金を活用して、目的を達成していきたいと思います。

多頭飼育崩壊を事前に防ぐため、行政や個人からの情報提供で訪問した現場。
飼育状況や頭数などを確認しつつ飼い主と話し合い、承諾を得られれば避妊去勢手術を行います。

普及啓発活動

助成金のおかげで、少し余裕ができたので、「石垣市社会教育委託事業」として市役所で無料映画上映会を開催しました。動物保護活動をテーマとした作品で、上映後には獣医さんによる石垣島の猫の現状についての講話をお願いし、ボランティアを交えて会場からの質問に答えました。少しでもより正確な情報が住民の皆さんに伝わればと思います。沖縄県の動物愛護条例に関する意見交換会にも毎年参加しています。これからも行政と協働して活動を進めていきます。

上映会の様子

石垣島しっぽの会 犬戸様よりメッセージ

しっぽの会の合言葉は「できる人ができる時にできる事を」です。
活動自体を”持続可能”なものにするためには、ボランティア自身が無理しすぎないことが大切だと思うからです。時間的・体力的・経済的にも余裕がなければ、ボランティア活動はできません。無理しないよう、「誰か手伝って」と気軽に声かけしながら活動しています。今回助成金をいただいたことで、経済的余裕ができたことは大変大きな助けとなっています。ありがとうございました。

石垣島の美しいビーチ

石垣島しっぽの会の特徴は、八重山保健所や石垣市など、行政と良いコミュニケーションをとりながら、協力・連携して活動を行っていることです。今の関係性を築くまでにはご苦労もあったと思いますが、素晴らしい取り組みをされています。

JAC環境動物保護財団では、地域の保健所やセンターなどの行政と積極的に協力している、又はその努力をしている団体を支援したいと考えています。

石垣島しっぽの会のご活動をこれからも応援しています。