今回は、当財団の助成金をご活用いただいた助成活動の一部をご紹介いたします。当財団では、日本におけるすべての動物に対する動物福祉の向上と、野生動物の保全とそれに伴う自然環境保護を目的とした活動に対して助成を行っております。様々な団体のご活動を知ることができる機会ですので是非、ご覧ください。
1.クビワコウモリを守る会
■活動場所:長野県松本市
■助成金額:6,330,000円
■助成金を受けての活動
老朽化が進んだ、クビワコウモリ繁殖施設「バットハウス」の全面改修工事をしました。クビワコウモリは、環境省のレッドリストの絶滅危惧種Ⅱ類に指定されており、さらに長野県の「指定希少種」にも認定され、その希少性と重要性が指摘されています。
1996年に繁殖施設(バットハウス)が建てられて以降、保護活動や生態調査の拠点として利用されてきましたが、施設の老朽化が進んだため、この度、当財団の助成金をご活用いただき、バットハウスの全面改修工事を実施しました。改修後の新バットハウスからもクビワコウモリが出てきたことが確認でき、継続して乗鞍高原全体のクビワコウモリの個体数や、その変化を観察することが可能になりました。


2.認定NPO法人トラ・ゾウ保護基金 西表島支部やまねこパトロール
■活動場所:沖縄県八重山郡竹富町
■助成金額:3,910,000円
■助成金を受けての活動
交通事故からイリオモテヤマネコを守るため、夜間のパトロール等に使用する車両と、備品購入をしました。夜間のパトロールは年間176回実施。夜間パトロール中に遭遇したイリオモテヤマネコや、通りかかったドライバーからの目撃情報はイリオモテヤマネコの交通事故防止を目的とした除草作業に活かされました。2023年/2024年はイリオモテヤマネコの交通事故0件を達成しました。


3.株式会社もりおかパークマネジメント/盛岡市動物公園 ZOOMO
■活動場所:岩手県盛岡市
■助成金額:4,300,000円
■助成金を受けての活動
アフリカゾウの動物福祉向上に向けた環境エンリッチメントとサバンナエリアの飼育環境改善をしました。具体的には、アフリカゾウの常同行動減少を目的とした自動給餌器の開発・製造や、詳細な行動記録や飼育環境改善のための撮影をする機材の購入をしました。撮影機材の購入により、死角となっていた場所や、十分な解像度での記録が難しかった夜間の撮影密度が上がり、詳細な行動記録が可能となり、より正確な行動や健康状態を把握できるようになりました。
また、アフリカに生息する動物たちのエリアであるサバンナエリアのパドックの飼育環境改善では、これまで水はけが悪く不衛生になっていたパドック内のぬかるみが改善され、衛生状態も良化しました。

4.NPO法人どうぶつたちの病院 沖縄
■活動場所:沖縄県うるま市
■助成金額:5,000,000円
■助成金を受けての活動
ヤンバルクイナをはじめとする野生動物救護施設の改修工事を実施しました。どうぶつたちの病院沖縄は希少種の受け入れ機関として救護活動をおこなっているが、満床状態が続き、希少種の受け入れが危機的な状況であったことから、救護できる頭数を増やすために、半屋外かつ、老朽化していた施設を、屋内施設へと改修工事しました。これにより、ヤンバルクイナをはじめとする希少種や野生動物への安全かつ快適な飼育施設が提供できるようになりました。


5.一般財団法人沖縄美ら島財団
■活動場所:沖縄県本部町:沖縄美ら海水族館
■助成金額:1,500,000円
■助成金を受けての活動
沖縄県に生息する希少両生爬虫類の保全と普及啓発を目的とした新規展示施設の設置をしました。日本で唯一海岸に生息するミヤコトカゲや、親ガエルがオタマジャクシの世話をするアイフィンガーガエルなど、琉球弧に生息する珍しい両生類・爬虫類・マイマイ類(陸産貝類)が展示されております。 琉球列島内の限られた地域にのみ生息する希少種を、生息地の現状とともに紹介することで、来場者が希少種の理解を高めるきっかけになりました。


本記事では、これまでの助成先のご活動を一部、ご紹介しました。
掲載写真に写っている看板は、外部から来た方にも活動を知って頂くきっかけや啓発を目的として当財団と各団体が協力して作成したものです。過去の助成事例や募集要項についてもアップしておりますので是非、ご覧ください。
▼過去の助成実績はこちら
現在、2025年度助成金の選考期間中です。
結果につきましては、2025年8月上旬を目途としており、採択・不採択に限らず、システム上でご連絡をいたします。
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