2026年7月、自然農園ウレシパモシリを訪問しました。
今回の視察では、自然環境を活かした放牧養豚の取組や、動物の習性を尊重した飼育方法、持続可能な農業を実践するための工夫について学びました。

■自然農園ウレシパモシリについて
ウレシパモシリは、岩手県花巻市の山間部で、自然と共生する循環型農業を実践する農園です。「ウレシパ」はアイヌ語で「互いに育て合う・育み合う」、「モシリ」は「大地・世界」を意味し、その理念のとおり、人・自然・地域が支え合いながら暮らす社会の実現を目指して活動しています。
人の手が入らなくなった山林を自ら切り開いて農地へと再生し、放牧養豚や平飼い養鶏、無農薬・無化学肥料による野菜栽培など、自然の循環を大切にした農業を実践している。また、家畜の排せつ物や地域資源を活用した循環型の仕組みづくりや、研修・体験活動を通じて持続可能な農業や暮らしのあり方を発信しています。
今回の視察では、アイヌの精神に由来する「互いに育み合う」という理念を実践する現場として、自然環境を生かした農業や畜産を学ぶことができました。

■助成金を受けての活動
2024年度2次募集 助成活動内容
「放牧養豚の発展による更なるアニマルウェルフェアの普及活動」をテーマに事業を実施しました。
まず、水飲み設備の設置については、令和7年3月から運用を開始。その結果、35頭を超える豚が適切に水分を摂取できる環境が整い、水を飲む様子を観察することができるようになりました。これまで水飲み場を1か所しか設置できず、水の補充を行う際に豚の群れが集中する状況がありましたが、新たな設備の導入により、水を補充する間も豚が自由に水を飲める環境が整いました。
また、パンフレットについては、令和6年度に5月頃から作成を開始、今後は、より多くの方にアニマルウェルフェアや放牧養豚について知っていただけるよう、イベントや直売会などで配布し、普及啓発に活用していただきます。
2025年度1次募集 助成活動内容
「豚にとっても人にとってもウェルフェアな環境を実現し、持続可能な飼育を行うための機械・設備改善」を目的として助成事業を実施しました。
本活動では、飼料倉庫の新設とロールベーラーの導入を進めました。これにより飼育管理や衛生管理が行いやすくなり、作業効率の向上や飼育者の負担軽減にもつながっています。
ロールベーラーについては自家牧草の収穫・保管作業の効率化や飼料の安定確保が期待されています。これらの設備整備により、アニマルウェルフェアの向上と持続可能な畜産経営の実現に向けた基盤づくりが進められており、動物にとって良い飼育環境の構築に大きく寄与することが期待できます。


■視察内容
視察では、約1時間にわたり施設内をご案内いただきました。まず、助成金を活用して導入された設備について説明を受け、実際の使用状況や導入による効果、日々の飼育管理における利便性などについて詳しくお話を伺いました。
その後、直近で生まれた子豚の飼育状況を見学し、健康状態や飼育環境について説明を受けました。また、放牧されている豚の様子を見学し、豚が自然に近い環境の中で自由に行動する姿や、アニマルウェルフェアを重視した飼育方法について学ぶことができました。
さらに、平飼い養鶏の飼育環境も見学させていただき、鶏がのびのびと過ごせる環境づくりや、自然の循環を大切にした農場運営について理解を深めることができました。


■酒勾様よりメッセージ
この度はご縁をいただきJAC環境動物保護財団様に助成を受け、農園(放牧養豚)の環境改善、啓蒙活動ができました。心より感謝申し上げます。
環境が整うことで豚たちの表情もよりよくなったと感じております。
農家として年々変わる気候や野生動物などの自然の厳しさをより感じるここ最近ではありますが、これからも変化に遅れることなく放牧養豚を続け、放牧という飼育方法、アニマルウェルフェアの考えの周知もさらに広めていきたいと思います。

■自然農園ウレシパモシリ SNS


Comments are closed