2026年9月、大阪のアヴニールファームを訪問しました。
アヴニールファームは、怪我や病気などで他では受け入れが難しい引退馬を積極的に迎え入れている、いわば「最後の砦」のような場所です。
預託馬も含め、現在20頭の馬たちが穏やかに暮らしています。
JAC環境動物保護財団では、2025年度、2026年度の2回に渡りアヴニールファームへ助成を行っています。
【2025年度】
放牧地の新設工事に助成しました。
3ヶ所の放牧地が新設されたことにより、馬たちの放牧機会が大幅に増加しています。
夏場(6~10月)は暑さを避け、早朝(5~9時)のみ交代で放牧し、その他の時期は朝から夕方まで5~10時間ほど、全頭が放牧され伸び伸びと過ごすことができています。

【2026年度】
馬房前通路の整備に助成しました。
もともとは土の通路になっていたため、雨の浸食等により石が露出し蹄を痛めてしまう馬がおりました。
高齢の馬、怪我や病気を抱えた馬も多いため、今回の助成により馬房前通路の勾配をなくし、滑り止め仕様の施された素材での通路に整備しています。

視察時はあいにくの雨で放牧の様子を見ることはできませんでしたが、馬房で穏やかに休む馬たちの様子を伺うことができました。
雨の日は屋根付きのパドックもあるため、そちらで歩かせて運動することもあるようです。

見学させていただいた馬たちの中には目の見えない馬もおりましたが、眼球を守るためのガードを着けており、普段は放牧に出ることもできるそうです。

病気のケアとは常に隣り合わせで、季節の変わり目には疝痛が起きやすく、またフレグモーネ(肢に細菌が入る病気)は3か月に1回のペースで再発してしまいます。
獣医師の診察が必要な場合は、まずオンラインでの診察を受けることで適切な応急処置を行い、地元の獣医師が現地に到着できるまでのタイムラグの改善につなげています。
肢を痛めた馬のケアも欠かせません。
2本以上痛めればもう歩けなくなってしまうので、1本でも肢を痛めれば他3本の肢で支えるしかなく、サポーターを使って支える側の肢のケアも行います。

高齢馬も多いせいか、見学させていただいた馬たちがみな大変穏やかで、親しげに人懐っこい様子が非常に印象的でした。
肥育場から来たというポニーたちもとても愛らしく、放課後デイサービスなどの利用で子どもたちが馬のお世話をしに来てくれることもあるそうです。

引き取り手のない馬たちの命を最後まで見守るアヴニールファームの皆様の活動は大変貴重です。直接お話しを伺うことで、起きている現実に向き合っていく覚悟を間近で感じる視察となりました。
これからも多くの引退競走馬たちが穏やかに馬生を送る日々を切に願っております。
この度の視察にあたりご協力いただいたアヴニールファーム小田上様へ心より感謝申し上げます。

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